Linuxサーバーは、企業の重要なシステムやサービスを支える基盤であり、個人用のデスクトップ環境とは異なり、高度な可用性と信頼性が求められます。特にサーバーには、業務に直結する機密データや多数のユーザー情報が保存されているにもかかわらず、そのセキュリティ対策が後回しにされがちなのが現実です。
Bitdefenderは十数年にわたり、こうした課題に向き合いながら、Linuxサーバーのための高度なセキュリティソリューションを提供してきました。本記事では、サーバーの重要性を再認識しながら、現代的な脅威に備える具体的な防御戦略をご紹介します。
Bitdefenderは大規模なR&D体制により業界において、次の時代を見据えたセキュリティをいち早く実装しています。サーバにおける仮想化やクラウド移行の大きな変化のはじまりにあってもいち早く対応して、望まれるレスポンスを低下させない軽快さと、防御力を高い次元で両立させるサーバーに特化した製品革新が続けられています。またLinuxにおいては幅広いディストリビューションへの対応も、求められている要件となっています。
Bitdefender社が今日の脅威に対抗すべく、サーバ保護に必要と考え実装している防御機能には以下のものがあります。特に以下の1〜5は、従来のアンチマルウェア対策だけでは対応できない現実の脅威に対し、包括的な防御を可能にします。。
1. 既知の脅威対策(AM)
現在でも、ソフトウェアを悪用した攻撃の多くは既知のマルウェアによって行われています。そのため、これらを確実に検出・隔離できるアンチマルウェア(AM)機能は、サーバー保護の基盤として欠かせません。
Bitdefenderの検出エンジンは、世界180社以上のセキュリティベンダーにOEM提供され、5億台以上のデバイスで稼働しています。この膨大な実績に基づくビッグデータを活用し、脅威データベースはリアルタイムで更新・配信されており、常に最新の脅威に対応可能です。
さらに、Bitdefender独自の技術により、構造解析済みのマルウェアから感染部分のみを除去(Disinfect)し、ファイルを正常な状態に復元することも可能です。これは大規模なR&D体制を持つ同社ならではの強みです。
2. 未知の脅威対策(ATP/NGAV)
ATPやNGAVと呼ばれる最新の防御能力の要となっている技術がAI機械学習です。Bitdefender社は、2008年に世界で初めてマルウェア検出のための機械学習モデルを開発した企業であり、 機械学習に関して70以上の学術論文を発表しています。また欧州域内の大学で50名の研究員が講義を持ち、共同研究も行っています。
特に高度な攻撃で使用されるファイルレス攻撃に関する成果により、実際にこれまでの技術では検知できなかった攻撃から企業を守ることに成功しており、EUの執行機関である欧州委員会(EC)から「Key Innovators」の称号が与えられています。
現在の高度な攻撃においては、脅威データベースでは検出できない、動的に変容するマルウェアが利用されています。またその動きは通常アプリの動きと似せており、ふるまい検出でも検知しないように作成されています。
これらに対してSecurity for Servers(Premium、Enterprise)エディションでは、ローカルでも動作する「Hyper-Detect」と呼ばれる次世代の防御レイヤーを導入できます。これは、未知の脅威やファイルレス攻撃に対して高い検出能力を発揮します。
このエンジンは現実のゼロディ脅威の検出に多くの実績をあげており、第三者評価機関で行われている、ウィルス定義DBの更新をあえてストップした状態での厳格テストでも、その能力を証明しています。
3. 脆弱性対策(AAE)
マルウェア対策と並んで、近年ますます重要性を増しているのが脆弱性対策です。OSやアプリケーションに潜む既知・未知の脆弱性を突いた攻撃は、深刻な被害をもたらす可能性があります。
BitdefenderのAAE(Advanced Anti-Exploit)は、こうした脆弱性を悪用する攻撃をリアルタイムで検出・防御する機能です。機械学習エンジンを活用することで、従来のシグネチャベースでは対応できなかった未知の攻撃にも対応可能となっています。
Linux環境においても、マルウェア対策に加えてこのようなプロアクティブな脆弱性防御が求められる時代です。
4. ネットワーク攻撃防御(NAD)
NADは、ネットワーク経由で行われる攻撃を検出・遮断するための防御レイヤーです。たとえ攻撃元が未知のマルウェアであっても、使用されるテクニックや挙動に着目することで、攻撃そのものを見抜くことができます。
この機能は、クラウドワークロードや仮想環境など、複雑化するインフラにおいても有効であり、ネットワーク層での早期防御を実現します。Bitdefenderは最新の脅威研究成果を継続的にNADに反映させており、進化する攻撃手法にも柔軟に対応可能です。
5. エンドポイントリスク管理(ERM)
セキュリティ対策においては、「攻撃を受けた後の対応」だけでなく、「攻撃を受けにくい状態を保つ」こと、すなわちハードニング(堅牢化)が極めて重要です。
BitdefenderのERMは、管理対象のサーバーやエンドポイントに潜むリスクを自動的に可視化し、優先度に応じた対処を促します。日々発表される脆弱性情報やパッチ適用状況を手動で追い続けるのは困難ですが、ERMを活用すれば、セキュリティの抜け穴を効率的に把握・修正できます。
この機能は、マルウェア対策と並ぶもう一つの柱として、サーバーの安全性を支えます。
6. 負荷を抑えるしくみ(SVA:Security Virtual Appliance)
サーバーにセキュリティ対策を導入する際、最も懸念されるのが「処理負荷の増加」です。特に仮想環境や高負荷な業務サーバーでは、セキュリティソフトによるパフォーマンス低下が導入の障壁となることも少なくありません。
この課題を解決するために、BitdefenderはSVA(Security Virtual Appliance)という専用の仮想アプライアンスを提供しています。SVAを導入することで、各サーバーに必要なスキャン機能の一部のみを残し、以下のような処理をSVA側にオフロードできます:
- マルウェア検査の判定処理
- 脅威定義データベースの保持と更新
- 定期スキャンやアップデートの実行
これにより、各サーバーのCPU・メモリ・ストレージ使用量を大幅に削減でき、仮想マシンの集約率向上やクラウド環境でのコスト最適化にもつながります。
さらに、SVAは複数台での冗長構成やキャッシュ共有にも対応しており、大規模環境でも安定した運用が可能です。
7. アップデート取り込みの最適化(Relay/オンプレミス管理サーバ)
サーバーの防御力を維持するには、常に最新の脅威情報を取り込むことが不可欠です。しかし、実際の運用環境では、すべてのサーバーがインターネットに直接接続できるとは限りません。セキュリティポリシーやネットワーク構成上の制約により、外部通信が制限されているケースも多く見られます。
このような環境に対応するため、Bitdefenderでは「Relay」機能を提供しています。Relayは、インターネットに接続可能なWindowsまたはLinuxマシンを中継サーバーとして機能させ、他のサーバーやエンドポイントに対して以下のような役割を果たします:
- 脅威定義ファイルやアップデートの取得と配信
- ポリシーや設定の中継
- 帯域使用量の最適化と集中管理
これにより、インターネット非接続環境でもセキュリティ更新を確実に適用でき、かつネットワーク全体の負荷を抑えながら効率的な運用が可能になります。
8. Linuxコンテナ
近年急速に導入が進んでいるフレームワークがLinuxコンテナです。GravityZoneではコンテナとして動作、またホストに導入してコンテナを監視することができます。
9. 攻撃の可視化(EDR/XDR)
エンドポイントで収集されたログをクラウドで解析し、攻撃の兆候をそのマシン、さらに複数マシンに渡り洗い出す機能です。
10. 選べる3つのエディションと価格
予算と必要とする防御能力に応じて、①基本、②標準、③フラグシップの3つのエディションが用意されていて、すべてにおいてLinux/Windows Serverへの導入が可能です。
上記の1、3、4、5の防御力は、最低限必要なものであり、この基本エディションはこれらを最小コストで、本番機とステージング/開発機に実装することができます。
Bitdefender社が推奨するサーバ向けに最適化された標準エディションです。今日、通常のマルウェア対策では検出できない攻撃が、大企業だけではなく中小企業も対象に行われており、これらを検出する従来とは全く異なる技術、AI機械学習エンジンによるこの未知への脅威対策能力が①に追加で必要です。
また、自社への導入にあたり、社内向けの選定理由エビデンスとして第三者評価機関のテスト結果を利用される場合、テストで実際に使用されたこの②もしくは次の③のエディションが必要です。
③Bitdefender社のフラグシップ
GravityZone Business Security Enterprise
さらに攻撃の徴候をつかむべくサーバーおよびネットワーク内の動きの可視化と早期検出能力(EDR/XDR)を求められる方は、この現代サイバーセキュリティの最高傑作、このBitdefenderの旗艦エディションを選択してください。
なお①②導入後に上位の②③へ、お使いの管理コンソールはそのままで、再インストールなしで移行することが可能です。ライセンス移行後、管理コンソールから追加可能となった防御モジュールをアドオン指示することで、シングルエージェントのまま強化されます。
導入検討の流れ
- 3つのエディションと概算価格の確認
- 動作検証(30日間の無料試用)
- お見積りと購入(翌月末銀行振込または電子決済等[STORES]で購入)
新規の他、導入後の追加や更新は全てメールのやりとりで完結いたします。ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
補足
以下のサーバ向け製品(いずれも過去に弊社で扱い)をお使いの方は本Bitdefender GravityZoneが後継製品となります。
- BitDefender Antivirus Scanner for Unices
- BitDefender Security for File Servers
- BitDefender Security for Exchange
また以下を製品として紹介しているサイトがありますが、これらはエンドポイントにインストールするアプリケーション名で、製品名ではありません。現在販売しているエディションであれば、どちらのOS版もご利用いただけます。
- Bitdefender Endpoint Security Tools for Linux
- Bitdefender Endpoint Security Tools for Windows Server