世界で初めてサイバーセキュリティにAIを導入したBitdefender社は、現在に至るまで膨大なR&D(研究開発)投資をAI分野に続けています。
特に法人向けの統合エンドポイントセキュリティプラットフォーム「Bitdefender GravityZone」では、AI(人工知能)および機械学習をコア技術として徹底的に活用。単なる脅威の検出・防御にとどまらず、サイバーキルチェーンの各段階、運用支援やリスク管理にいたるまで幅広くAIが組み込まれています。
①脅威検出・防御でのAI活用
シグネチャ(定義ファイル)に頼らない「予防重視」のアプローチを取り、行動分析を中心とした多層防御を実現しています。
- HyperDetect:チューニング可能なローカル動作型AIエンジン。APT(持続的標的型攻撃)、ランサムウェア、ファイルレス攻撃などを実行前に検出する、高度な多層防御アレイを構成しています。
- NAD(Network Attack Defense):AIを用いたネットワークトラフィック解析により、従来は検出が極めて困難だったC2(Command & Control)通信を精度高く検出します。
- ディープラーニング・GAN(敵対的生成ネットワーク):AI同士を対戦させて学習させるモデルなどを活用し、未知の脅威や「AIによって生成された複雑な攻撃」にも迅速に対応します。
②攻撃対象領域(アタックサーフェス)の縮小でのAI活用
PHASR(Proactive Hardening and Attack Surface Reduction)
ユーザーやデバイスごとの行動をAIでプロファイリングし、不要な特権や攻撃に悪用されやすい正当ツールを自動制限。攻撃対象領域を最大95%削減します。※2026年9月のアップデートでは「PHASR for AI Agents」が追加され、AIエージェント自体を独立した行動プロファイルとして扱い、適切な権限管理が可能になりました。
社内のAIツールの可視化と制御(AI Visibility and Control / AIVC)
エンドポイント上のあらゆるAI関連技術(オンラインAIサービス、コーディングアシスタント、ローカルAIモデル、AIエージェント、MCPクライアントなど)を自動で発見・分類。リスクスコアリングやセキュリティ姿勢管理を通じて、組織内の「シャドーAI」リスクを確実に把握・制御します。
③検出対応・運用支援でのAI活用
- EDR・XDR:端末から収集した情報をクラウドの膨大なマシンパワーで即座にトリアージ・相関分析。信頼性の高い検出結果に対しては事前に承認されたアクションで自動封じ込めを行います。
- GravityZone AI Assistant:管理コンソール内に搭載されたLLM(大規模言語モデル)ベースの対話型アシスタント。操作方法や調査ワークフローの疑問に即答し、運用工数を大幅に削減します。
- MDR(Managed Detection and Response):AIの処理スピードと、セキュリティ専門家(人間)の高度な判断・検証を融合。迅速かつ安全、そして正確な攻撃の封じ込めと対応を実現します。
まとめ
2025年〜2026年にかけて、GravityZoneは「AIを使った攻撃を防ぐ」だけでなく、「組織内に広がるAI利用を安全に管理・統制する」方向へと進化を遂げました。
未知の脅威への対策はもちろん、社内のAI活用に伴う新たなセキュリティリスクまで、包括的にカバーできる強力なプラットフォームとなっています。


